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2007/10
芝蘭会会長就任のご挨拶
 
京都大学大学院医学研究科長・医学部長
塩田 浩平

 このたび、成宮周前医学研究科長の後任として医学研究科長・医学部長の重責を担うことになりました。これに伴い芝蘭会会長を努めさせていただきますので、一言ご挨拶申し上げます。
 わが国の国立大学は、3年前の法人化という制度改革を経て、新たな時代に入りました。これに伴い、大学は財政面でも自立性をより高め、社会に対する貢献と説明責任をより明確にすることが求められる様になりました。研究資金や人的な面での競争的環境がさらに顕著になっています。こうした状況下において、京都大学医学研究科・医学部は、成宮前研究科長に至る数代の研究科長がすぐれた指導力を発揮され、本医学研究科を世界に冠たる医学生物学研究の拠点に高められました。こうした流れを受け継ぎ、現在進行中のいくつかの重要な研究プロジェクト、人材育成プロジェクトなどを着実に発展させ、立派な果実を収穫して将来への礎を強固にすることが、我々に科せられた使命であります。
 医学研究科・医学部は、教育・研究・診療という3つの使命をバランス良く追究することにより、有為の人材を育成し、卓越した研究を行い、さらに患者のための質の高い医療を提供することを目標としています。教育面では、高い能力を持った学生の力を涵養し、我が国の医療界、医学研究分野において指導的な役割を果たす人材を多く輩出することが京都大学の使命であります。昨今の医学教育を取り巻く状況下では、ややもすると画一化、平準化の波にのまれてしまうおそれがありますが、時代の要請に応えつつも、京都大学らしい特色ある教育を施すことを目指したいと思います。具体的には、MD-PhDコース、大学院コース教育などが目に見える成果を挙げつつあり、よりよい医学教育カリキュラムの構築に努めております.
 研究面では、本医学研究科にはトップクラスの研究者が集まり、それぞれの分野で卓越した研究成果を挙げていることは周知の通りです。大型の競争的研究資金も数多く獲得して高い評価を得てきましたが、ここ数年間はこうした外部資金などへの対応に多くの研究者のエネルギーが奪われてきたことも否めません。引き続き外部資金の獲得に努力しつつも、研究者が本来の研究に落ち着いて打ち込める環境を整えることが必要になっています。中長期的な目標を掲げてアカデミズムの本質を再確認するとともに、次代を担う中堅・若手の研究者が自由な発想で創造的な研究を行うことをサポートする体制を整えたいと考えます。組織の将来は「人」にかかっています。評価や任期制などがプラスに機能して、若い研究者にとって魅力ある環境となり、多くの有能な若者が結集する研究科にしたいと願っています。
 臨床面では、京都大学の誇る高度先進医療をさらに発展させ、患者中心の医療を推進するとともに、すぐれた医療人を育成することが目標になります。各診療科が特色ある先進医療を目指し、EBM共同研究センター、探索医療センターが医薬品の市販後調査やトラスレーショナル研究で成果を挙げています。また、京大がんセンター構想も具体的な計画の策定が進んでいます。さらに、高次生体イメージングテクノハブ(キャノンとの協同事業)や次世代免疫制御を目指す創薬医学研究拠点(アステラス製薬との協同事業)も進行中で、本学のすぐれた医学研究を基盤として革新的なテクノロジーの開発と創薬を目指す新しいモデルとなることが期待されています。基礎医学と臨床医学の密接な連携は京都大学の大きな特色の一つとなってきましたが、他の異分野(工学や薬学など)との連携も発展させて、新たな研究分野の展開や新規の医療技術開発・創薬をさらに積極的に推進して参ります。
 卒後初期研修の新制度導入に伴って、大学医学部・附属病院の位置づけ、大学とそれ以外の病院との関係が大きく変化しつつあります。こうした中で、有為の人材を育成し、有効な流動性を保って若い人に多くのチャンスを与えるという点で、大学と関係病院の間の密接な連携と協調、役割分担がこれまで以上に重要になってきています。芝蘭会会員の先生方の一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げます。



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